Neutral Dollar(NUSD)は新しい概念を持つステーブルコイン
オープンな金融プロトコルの構築を行うNeutralは、「Neutral Dollar(NUSD)」と呼ばれるステーブルコインの発行計画を明らかにしました。
仮想通貨市場にステーブルコインが登場して以降、安定したステーブルコインには一定の需要がありました。しかし今回発表されたNUSDには、従来のステーブルコインとは全く異なる概念が導入されています。
NUSDは、Dai(DAI)、TrueUSD(TUSD)、Paxos Standard Token(PAX)、およびUSD Coin(USDC)といった既存のステーブルコインによって、安定した価値が保証されている点です。
プレスリリースによると、数種類のステーブルコインの組み合わせによってNUSDの安定性は保たれ、時間の経過とともにさらに安定すると予想されています。
ステーブルコインの組み合わせや割合は、市場の変化によって常に調整されます。また、NUSDを構成するブロックチェーン上で、ステーブルコイン同士の両替も可能になります。
NUSDはステーブルコイン市場における流動性の問題も解消し、リアルタイムの監査で資産を保護できます。
NUSDが取り入れる概念は、従来のステーブルコインと比較してもボラティリティが非常に小さくなり、投資家のリスクが小さくなることを意味しています。
従来のステーブルコインは、その名に反して価格の変動に見舞われることがありました。NUSDは、投資家にとっては高い安定性を、サービスプロバイダーにとっては高い流動性を提供します。
今後の詳細なスケジュールについては更なる発表が待たれますが、次々にステーブルコインが誕生する状況に、一石を投じることになりそうです。
まとめ
ボラティリティの高さが魅力の仮想通貨ですが、逆にリスクが高いというデメリットでもあります。そういった状況の中、法定通貨にペック(相場固定)されたステーブルコインが登場しました。
ステーブルコインとして最も利用されているTether(USDT)は、「1USDT=1USD」で取引されています。しかしTetherを管理するTether社のニュースに市場が反応し、最大で10%近く値が動くこともありました。
今回発表されたNUSDは複数のステーブルコインによって価値が保証されるため、もともとボラティリティが低かった従来のステーブルコインよりも、さらにボラティリティが低くなり、安定した通貨となります。
日本でも、GMOグループによる「GMO Japanese YEN(GJY)」などの日本円とペックされたステーブルコインの発行計画が発表されています。
仮想通貨と法定通貨の橋渡し役も期待されるステーブルコインは、今後もさらに存在感を増すと思われます。
NUSDが取り入れる新しい概念は、仮想通貨界にどのような影響をもたらすのでしょうか。
参照記事
The Unusual Kid on the Block: Stablecoin Backed by Stablecoins