バイナンスで7000BTCが盗難される
世界最大規模の仮想通貨取引所バイナンスにおいて、ハッキングによって7000BTCが盗難されたことが明らかにされています。
5月7日に「大規模なセキュリティ侵害」が発生していることが発見され、悪意を持ったハッカーが、ユーザーのAPIキーや二段階認証コードなどの情報にアクセスしていることが判明しました。
バイナンスは直ちに緊急のメンテナンスを行い入出金を停止しましたが、すでに7000BTCが盗難に遭っていました。
ハッキングされたホットウォレットには、バイナンスが保有するBTCの2%が保管されていました。盗難に遭ったウォレット以外の資産は、全て安全に保管されているとしています。
ジャオ・チャンポンCEOがSNS上でミーティングを実施
今回の盗難が明らかになってから、バイナンスのジャオ・チャンポンCEOはSNSでのミーティングを開催し、様々な質問に答えています。
今回の被害には、緊急時のために積み立てられていたSAFU(Secure Asset Fund/セキュアアセットファンド)によって補償されることが公表されました。SAFUには、昨年7月から取引手数料の10%が積み立てられています。
ロールバックを行うのか?
ミーティングの中では、盗難が発生する前の状態に戻す「ロールバック」についても言及しています。
ロールバックを行うには、主要マイナーからの同意を得て51%以上のハッシュパワーを集める必要があります。
バイナンスではロールバックを行うことは数日以内に可能としながらも、倫理的な観点から実行に関しては慎重な姿勢を見せていました。
ロールバックを行えば、ハッキングによる盗難をそもそも無かったことにできますが、不可逆性の原則に反する行為はビットコインネットワークへの攻撃とみなされる可能性があります。
最終的に、被害が拡大しておらずSAFUによる補償が可能であることなどから、ロールバックは行わないとの結論が導き出されました。
まとめ
これまでバイナンスのセキュリティは高く評価されており、ハッキング事件は今回が初めてです。そのため、市場には大きな衝撃が与えられました。
しかしその後は、「さすがバイナンス」といえる対応を見せています。SNS上でジャオ・チャンポンCEO自らがミーティングを開催し、様々な質問に回答しています。
補償についてもSAFUによる対応を早々に発表し、今回の件でのユーザーの動揺は小さなもので収まっています。
詳細についてはこれから徐々に明らかになってくると思われますが、復旧には1週間程度が見込まれています。
バイナンスのセキュリティがハッキングによって破られたということはショックな出来事ですが、迅速で誠実なバイナンスの対応は、さらに信頼を得る結果となったのではないでしょうか。
今回のケースではSAFUによる救済があり、ユーザーが実質的な被害を被ることはなさそうですが、セキュリティに絶対はありません。
仮想通貨ユーザーは、改めて自分の資産の保管方法について見直してみてください。
参照記事
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